海外で美容師として働くには? 絶対知っておきたい基本知識!

海外で働くことを考えている美容師は以前からたくさんいますが、新型コロナの影響で海外渡航の計画が止まってしまった方も多いかもしれません。一方で日本人美容師が帰国してしまい、お客様は来るのにお断りせざるを得ない海外サロンも増えているという話もよく耳にします。海外で働きたい美容師が知っておきたい基本知識を美容専門海外サポートのGo Overseas編集部が詳しく解説していきます!

日本のサロンと海外サロンの違いは?

海外で美容師として働くことはハードルが高いと思っていませんか? 国によって程度の差はありますが美容師の仕事内容は日本とそんなに大きな差はありません。むしろ日本よりワークライフバランスが徹底されていたり、日本人の手先の器用さ、ホスピタリティの高さに敬意を持って接してくれる外国人のお客様もたくさんいます。

海外美容師の仕事内容は?

海外美容師の仕事内容は、シャンプー、カット、カラー、パーマ、ブローなど、日本の美容師業務と基本的には変わりません。強いて言えば、アシスタントがいないサロンが多く、お客様を最初から最後まで担当したり、掃除や受付も自分で行う場合が多いかもしれません。また日本と比べて、”美容師=プロフェッショナル”という認識が強く、美容全般や髪の専門家としてお客様から頼られています。

日本人美容師は、世界でもトップクラスの美容スキルと接客スキル(ホスピタリティ力)だと言われています。言葉が通じなくても気持ちは伝わる・・・と言いたいところですが、実際には言葉の問題は出てきます。今は、アプリやオンラインなどで、日本にいながらでも語学を身につけやすい環境が整っていますので、これから海外で働こうと考えているのであれば、少しでも語学力を高めておくことをおすすめします。

海外で美容師として働くには?

海外で美容師として働く場合、美容師免許が必要な国、不要な国があります。アメリカでは、コメストロジーライセンスという免許が必要となります。取得条件は州によって異なり、例えばニューヨーク州では、日本の美容師免許と美容学校の履修時間を英訳して証明できればトランスファー(書き換え)することができたりしますので、自分の行きたい州の免許ルールを事前に調べておくとよいでしょう。

一方で、イギリスをはじめとしたヨーロッパ各国(ヨーロッパには職人の技術レベルを認定するマイスター制度があります)やオーストラリア、アジアの多くの国では美容師免許制度がありませんので、免許がなくても働くことが可能です。

日本人美容師が求められている国は?

海外で日本人美容師が特に求められている国は、日本人駐在員の数に比例すると言われています。都市別の日本人駐在員数トップはロサンゼルス(アメリカ)の6万7000人。次いでバンコク(タイ)5万9000人、ニューヨーク(アメリカ)3万9000人、上海(中国)3万7000人、シンガポール3万6000人、ロンドン(イギリス)3万2000人と続きます。また国別では、アメリカに全体の32%(42万9000人)、中国に8%(10万7000人)がそれぞれ駐在しており、両国で日本人駐在員の4割を占めています。このほかオーストラリアに9万3000人、タイに8万2000人、カナダに7万人、イギリスに6万3000人、ブラジルに4万8000人、ドイツに4万2000人、韓国に4万1000人、フランスに3万6000人が住んでいます。これらの国や地域では海外でも日本人のお客様がつかめる可能性が高いと言えるかと思います。※出所 海外在留駐在員数調査統計

一方、日本人が少ない場所でも日本人以外の外国人に支持されて美容師として活躍することも十分に可能です。特にアジア系外国人(中国人など)は日本人と同じ黒髪で扱いやすく、たくさんの外国人顧客を持つ日本人美容師は大勢います。ただし、サロンワークで必要とされる最低限の語学力は必要です。

海外で美容師するイイところ・ダメなところ

日本人美容師は、その高い美容スキルや接客スキル(ホスピタリティ力)がありながら、海外に出て行く美容師の数が、他の国の美容師と比べて少ないと言われています。ここでは、日本人美容師にとって、海外で働くイイところ、ダメなところをまとめてみましたので参考にしてみてください。

海外美容師のイイところ

ほとんどの美容師が、海外で働いて最初に感じるには、日本と比べて勤務時間が短いところです。営業時間も短く、アシスタントがいないので、営業終了後のレッスンなどもありません。日本だと仕事が終わって帰宅したら深夜だった、なんてことも日常茶飯事ですが、海外では、アフターワークが充実したライフスタイルになると思います。

また、お給料についても、日本より明確で分かりやすいところが多いです。例えばアメリカやカナダ、ヨーロッパではチップの習慣がありますので、売上に対するコミッション(歩合給)に加えてチップが自分の収入となります。一方、オーストラリアやシンガポールなどでは、チップの習慣はありませんが、最低賃金が世界でもトップクラスのため、基本給だけでも十分に生活していくことができます。

海外美容師のダメなところ

語学力はなくても大丈夫、という話もたまに聞きますが、あくまでも最低限の基礎力がある前提だと思っていた方がいいでしょう。もし、あなたが日本のサロンで、”腕は超一流だけど日本語が全く話せない外国人美容師”がいたとしたら、お任せしたいと思うかどうか考えてみるといいでしょう。

また、薬剤については、日本の薬事法と海外の薬事法の違いにより、成分濃度が違うので、注意しておくといいかと思います。お客様も東アジア系、東南アジア系、ブロンド、赤毛、カーリーヘアなど幅広い人種のお客様がいらっしゃいます。日本で、日本人だけを施術していた感覚では、はじめは戸惑いますので、しっかり知識と経験を積んでいくといいかと思います。

美容師が海外に行くまでに身につけたいスキルは?

海外で美容師として働くことを目標にしている方が、日本にいる間からやっておくべきこと、身につけておきたいスキルはどんなことがあるでしょうか? 日本人美容師が海外で働くためにやっておくべきことをまとめました。

語学力

語学力がなくても海外で働くことはできます。しかし、海外で売れる美容師になれるかは、また別のお話です。お客様、スタッフ同士のコミュニケーション、薬剤や美容用具の使用にも語学は必要となります。サロンワークで使う、決まったフレーズの英会話だけでは、お客様と表面的な意思疎通はできても、心の通ったコミュニケーションとは呼べません。日本にいる間にできる限り、学んでいくことを強くおすすめします。

美容スキル

海外で美容師として働くには、日本でスタイリストとして実践経験があるほうがよいでしょう。最近では、日本のサロンのようにアシスタントを教育して、スタイリストを養成する海外サロンも増えてきましたが、まだまだ少数派だといえます。日本のサロンで美容スキルを身につけておけば、世界中どこでも美容師として通用するといっても過言ではないでしょう。

また、海外のお客様は、国や地域によって求める技術が違ってきます。例えばシンガポールでは、カラフルな原色のハイトーンカラーが人気だったり、ニューヨークでは、出勤前のシャンプー・ブローのみのキャリアウーマンのお客様が多いなど、日本ではあまり意識しない技術も磨いておくとよいでしょう。

海外で働く美容師の給与事情は?

海外サロンといっても国や地域によって様々ですが、給与体制を大きく分けると、自分の技術売上に対して、決まったパーセンテージの報酬が得られる、実力主義のコミッション型サロンと、売上とは連動せず、最低賃金以上の基本給で働く、雇用型サロンがあります。日本でも、近年定着してきた業務委託サロンやシェアサロンで働いている方は、コミッション型サロンに馴染みやすいかもしれません。雇用型サロンは、働いた時間分のお給料となるので、毎月の収入が安定しており、生活面で安心できます。それぞれメリット・デメリットがありますので、自分の希望するライフスタイルに合った働き方を選ぶといいでしょう。

アフターコロナで海外で働く美容師は増える?

2020年以降、世界中に広がった新型コロナウイルスの感染拡大により、日本人美容師は海外に行けない状況が続いていました。また同時に、それまでに海外に渡航して、すでに働いていた日本人美容師も、ビザが延長できないなどの理由により、帰国を余儀なくされてしまい、その結果、世界中の海外サロンで日本人美容師がいなくなってしまいました。

そのような中、あらためて気付かされたことがあります。それは、日本人美容師は、世界でもトップレベルの美容スキルと接客スキルがあり、世界中の人々から求められている、ということです。2022年の春ごろから海外へ挑戦する日本人美容師が、少しづつですが増えてきました。アフターコロナといわれる今、海外経験を積み、語学力と国際感覚を身につけた日本人美容師は確実に増えていくでしょう。

まとめ

これから海外で働きたい美容師のための基本知識をまとめてみました。どんな有名な美容師も、はじめは何もないところから試行錯誤して道を切り開いてきました。今の時代は、求めれば、あらゆる情報がすぐに手に入ります。ですが、大切なのはその情報をもとに、”覚悟を決めて行動する”ことです。一人でも多くの日本人美容師が海外で活躍することを願っています!

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